こんにちは!癒し師きゅうらくです!
今回は臓腑の「腎」について解説していきます。
腎は成長・老化など生命活動において非常に重要な働きをするものです。他の臓腑にもいろんな形で影響してくるので、ぜひ覚えていきましょう。
Contents
腎のはたらき
精を貯蔵している
両親から受け継いだ先天の精を蔵していて、水穀の精微から後天の精を作って先天の精を補充していきます。
先天の精がなくなる=生命活動の停止(死ぬということです)
なので、少しづつ消費されていく先天の精を補充していく必要があるのです。先天の精そのものを作り出すことができないので、代わりに後天の精を作って代用していってるのです。
腎は津液の代謝をコントロールしている
言ってしまえば、全身の水分代謝をコントロールしているのが腎です(腎は津液を主る(つかさどる))
体を巡っている水分を循環させ、不要な水を膀胱に送って尿として体外に排泄します。
腎は清気を取り入れて精を活性化する
肺に取り込まれた清気は腎に降ろされて、臍下丹田まで取り入れられます。清気によって精は活性化し、肺は新たな清気を取り入れることができるようになります。(腎は納気を主る)
腎は骨・髪・耳・二陰にも関係する
骨(歯も)や髪、耳も腎に関係するところです。
また、二陰とは「前陰」と「後陰」のことです。前陰とは小便口、後陰とは大便口のことです。
腎が変調するとどうなるか
臓腑が変調するということは、本来の働きが阻害されるということでもあります。
腎の変調には大まかに4つあります。
①腎精不足
腎精が不足してくると、発育が悪くなったり性機能障害や老化が早まったりします。年齢によって、出方が変わってきます。
幼児期では発育不良など、思春期では性器の成熟などに影響し、壮年期では性機能(陽萎(インポテンツ)や不妊症など)、老年期では老化が早まり膝や腰の状態悪化・難聴・老眼などが起こりやすくなってきます。
②腎陰虚
腎そのものの陰虚という症状よりは他の臓腑に陰虚の影響が出やすいです。腎メインで考えると腰や膝の軟弱化や耳鳴り・めまい、五心煩熱(ごしんはんねつ)が主症状で出てきやすい。
他の臓の陰虚の症状に加えて、腎メインの主症が加わるといった形での合併となることが多いですね。
③腎陽虚
主に、腎精不足や腎気虚から発展してくる病症で、体を温める機能(温煦(おんく)機能という)の低下や気化機能の低下が起こってくるのです。
全身性の冷えが起こり、性機能の減退、不妊、腰や膝の軟弱化、下痢などが出やすいです。腎気虚から発展した場合だと頻尿や尿もれなども関係してきます。
④腎気虚
腎の持っている貯えるという機能が低下して起こる「腎気不固」、腎の納気機能が低下して起こる「腎不納気」の2種類があります。
腎気不固の場合だと、頻尿・尿もれ、流産、帯下などが起こりやすいですし、腎不納気の場合だと喘息や息切れ・呼吸困難などが現れやすくなりますね。
まとめ
腎はけっこう他の臓腑との絡みが本当に多い印象です。
特に不調になった時はかなりの割合で関係してきますし、近年では老化の症状に対して漢方薬を用いる病院なども増えてきました。
そう考えると、腎のことはしっかりと覚えておいた方が、今後大事になってきますので、これを機会にイメージできるようにしておいた方が良いですね!
少しでも、東洋医学の勉強の参考になれば幸いです。