東洋医学

東洋医学「精(腎精)」について解説します【初心者向け】

こんにちは!癒し師きゅうらくです!

今回は「精」について解説していきます。

実はこの「精」、少しわかりにくいと思われますので、大まかにザックリとで良いので理解してほしいところですね!

気・血・津液の3つに加えて精を理解すると臓腑への理解も簡単になります。中医学(東洋医学)はどの分野も基本的につながっているのに、どの分野もそれぞれ独特な考えや言葉が多いので、勉強する際には分かりにくくても並行して大まかに全体像を捉えると理解しやすいと思います。

Contents

精の2つの概念

ここが「精」を分かりにくくしているポイントです。

精という単語には大きく分けて2つの意味があります。

広義の精

「広い意味での精」という意味です。

生命活動の根本物質で組織や器官を構成し、気血津液など人体を構成するすべての物質の総称のことです。

気でも出てきたのですが、「全てのものは気でできている」と「気は人体でエネルギーであり物質である」の2種類の話と似たようなものです。

まあ、広義の精というものがあるんだなーくらいの認識で良いです。

狭義の精

今回、メインで話していくのはこちらの「狭い意味での精」

人体で腎にしまわれている「精」いわゆる「腎精」のことです。腎精とか腎中の精気とか言ったりします。

精(腎精)の種類

腎精には2種類あります。(これ以降、精=腎精と考えてください)

先天の精

人が生まれる時に両親から受け継いだ精のことです。人体を成長させていく素となるものです。腎にしまわれていて発育・生殖などの生命活動などに関与していきます。

後天の精に補給され、生きている間は枯渇することはありません。

後天の精

先天の精が元々持っていたものに対し、後天の精は飲食物から得られる精のことです。人体の気・血・津液の素となり脾胃で作られます。

後天の精は先天の精を補給する役割もあり、活動の基盤的なものです。

精(腎精)の働き

すごく大まかに言うと、生命活動の基礎が腎精なのです。

・・・これでは分かりにくいですよね(笑)中医学の教科書的な本ってホント分かりにくい。

生命活動の基礎とは成長・発育・生殖などの生きていく上での基礎的な部分のことです。人間は自分の持っている腎精を使って、発育して大きくなっていくわけです。

ここで言う大きくなっていくとは、身長・体重の話だけではなく生殖能力も含むのが特徴です。

また、腎精は物質的な話としても、人体を温める役割と潤してくれる役割もあります。少し細かい話にもなるのですが、腎陽と腎陰の二つのものが協調して良い働きをしています。(そんなものがあるんだなーくらいで大丈夫です。何気に重要ですが(笑))

精(腎精)のトラブル

腎精は発育・生殖に感する役割、また温める・潤す役割があるということを解説してきました。

一つの特徴として、腎精のトラブルにおいて「滞っている状態」はないということは覚えておきましょう。

腎精で起こるトラブルは常に足りない状態です。

まず最初に、

「腎精不足」という状態になり、発育や生殖能力が低下してきます。それは言ってしまえば、老化とも言える状態です。年齢が高くなるにつれて腎精は減ってきてしまうので、老化は起こりやすくなってきます。

ここからさらに腎精が減ってくると、腎精に対して陰陽の失調が起こってきます。

「腎陽虚」(腎精の力で温められなくなってくる状態)や「腎陰虚」(腎陰の力で潤せない・冷やせない状態)という病態に変わってきます。

ここからさらに進行してくると腎の陰陽両虚証という状態になってしまいます。

これらが腎精に起こるトラブルです。大まかに説明してしまいましたが、流れを覚えておくと役に立つでしょう。

このトラブルを治していくには簡単に言えば、腎精を何らかの形(治療や薬、飲食物)で補充していくことが大事になってきます。

まとめ

精(腎精)のまとめ

①精には広義と狭義の2種類ある。治療に使うのは狭義の「精」

②腎精には「先天の精」と「後天の精」がある

③腎精の働きとして大事なのは発育・生殖能力

④腎精不足→腎陽虚・腎陰虚→腎の陰陽両虚証、のように進行する

個人的には精の話は分かりにくい(イメージしにくい)ような気がしますが、治療的な話で言えば、とても大事な部分だったりします。大まかにでも良いので「流れ」を簡単につかめると良いと思います。

東洋医学の勉強などの参考になってもらえると嬉しいです!